マリブのビーチ沿いの道を、朝6時に走る人たちがいる。太平洋から吹く風と、まだ低い位置にある太陽。彼らはサーフボードを抱えているか、ランニングシューズを履いているか、どちらにしても肌に何かを塗ってから外に出ることを知っている。

LAのサーフカルチャーとスキンケアは、対極にあるように見えて、深いところでつながっている。海と太陽の中で過ごす美しさを守るために、彼らは科学に敬意を払う。SPFは「面倒なルーティン」ではなく、「外に出るための準備」として空気のように馴染んでいる。

なぜLA式が参考になるのか
カリフォルニアのUVインデックスは東京より年間平均で1〜2ポイント高い。晴天率が高く、冬でもUVが強い。そのため、LAのスキンケアコミュニティは早くから「SPFを毎日使う文化」を確立していた。
皮膚科医のSocial Mediaフォロワー数が日本の数十倍に達するLA界隈では、成分に基づくレビューが豊富で、消費者の選択眼が鍛えられている。日本で手に入るブランドでも、LAの皮膚科医が推奨するものを選ぶと、品質の信頼性が上がる。
もうひとつ、LAが先行しているのが「スキンケアとSPFの統合」だ。日焼け止めをスキンケアの最後のステップとして塗るのではなく、保湿・抗酸化・SPFを一製品でカバーする発想は、Supergoop!やEltaMDが牽引してきた。

カテゴリ別・LA流SPFセレクション
フェイス用SPF|EltaMD UV Clear SPF46
ブランド背景
アメリカの皮膚科医によって1988年に設立された医薬品グレードのスキンケアブランド。「皮膚科医が自分自身の患者に使うもの」という開発哲学が核にある。LAの皮膚科クリニックで処方される頻度が高く、在住者の間で「信頼の一本」として定着している。
成分と特徴
化学的・物理的フィルターのハイブリッド処方。ナイアシンアミド配合で、炎症を抑えながら紫外線を防ぐ。敏感肌・ニキビ肌・ロゼーシャ(酒さ)の人に皮膚科医が特に勧める理由がここにある。テクスチャーはシアーな乳液状で、白浮きがほぼない。
使い方
洗顔後の保湿の最後のステップとして塗る。メイク下地として使えるため、ルーティンを簡素化したい人に向く。
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アクティブ用SPF|Supergoop! PLAY Everyday Lotion SPF50
ブランド背景
テキサス出身の元教師、Holly Thaggardが2007年に設立。がんで友人を亡くした経験から「日焼け止めを楽しいものにしたい」という使命を掲げた。現在はLAのビューティーシーンを代表するブランドのひとつで、著名人のメイクアップアーティストが現場で使用していることで知られる。
成分と特徴
化学フィルター主体のウォーターレジスタント処方。SPF50かつPA++++で、長時間の屋外活動に対応する。ランニング・ハイキング・マリブのビーチを想定したフォーミュラで、汗をかいても崩れにくい。香り付きと無香料があり、無香料版が敏感肌には向く。
使い方
スポーツや屋外活動の前に、全顔と露出部位に塗る。2時間おきに塗り直しを推奨。
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ミネラルサンスクリーン|ISDIN Eryfotona Actinica SPF50+
ブランド背景
スペイン・バルセロナ発の皮膚科医学ブランド。1975年創業で、ヨーロッパとラテンアメリカの皮膚科学会から幅広い支持を得ている。Eryfotonは「光老化を修復しながら防ぐ」というコンセプトで開発された。
成分と特徴
DNA修復酵素(Photolyase)を世界で初めて日焼け止めに配合した製品。UVフィルターはミネラル(酸化亜鉛)主体のため、肌への刺激が少ない。テクスチャーは薄めのクリームで、塗った後のべたつきがほとんどない。色はわずかに肌色に補正する効果がある。
使い方
日常使いとしてもスポーツ時にも対応。スキンケアルーティンの最後に塗り、SPFの下でDNA修復を促す。
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フランス皮膚科学|La Roche-Posay Anthelios UVmune 400 SPF50+
ブランド背景
フランス中央部のラ・ロッシュ=ポゼという町の温泉水を核とするスキンケアブランド。1975年に温泉療養施設として始まり、1990年代に皮膚科学ブランドとして国際展開した。世界90カ国以上の皮膚科医が信頼するブランドで、がん・アトピー・術後の敏感肌患者向けに処方されることが多い。
成分と特徴
Mexoryl XL・Mexoryl SXという独自フィルターシステムに加え、2023年から「Uvomune 400」という次世代フィルターを採用。UVA-IVと呼ばれる長波長UVAを遮断できる(従来の日焼け止めでは対応しにくい波長)。敏感肌・アレルギー体質向けのシリーズも充実。
使い方
日常使いのベースとして、洗顔後に塗る。敏感肌でも安心して毎日使えるため、継続性が高い。
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スキンケア統合型|Tatcha The Silk Canvas SPF50
ブランド背景
日本の美容文化からインスピレーションを受けてサンフランシスコで設立されたブランド。芸者が使った「おしろい」の技術を現代のスキンケアに応用することを出発点とし、日本産の素材(抹茶・米・海藻)を取り入れる。LAのビューティーエディター界隈で「毛穴を消すプライマー兼SPF」として口コミが広がった。
成分と特徴
SPF50のプロテクション機能と、毛穴補正・皮脂コントロールのプライマー機能を統合。塗った直後から肌がサテンのようになる感触が独特で、メイクの下地として使うと化粧崩れが減る。レチノール・ヒアルロン酸も配合し、スキンケア効果も期待できる。
使い方
保湿の後、メイク前に塗る。プライマーとして使う場合は、普通のSPFより少量で十分。
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製品比較表

| 製品 | SPF | タイプ | 特徴 | こんな人に |
|---|---|---|---|---|
| EltaMD UV Clear | SPF46 | ハイブリッド | 皮膚科医推奨・ナイアシンアミド配合 | 敏感肌・ニキビ肌 |
| Supergoop! PLAY | SPF50 | 化学フィルター | ウォーターレジスタント | アクティブ派 |
| ISDIN Eryfotona | SPF50+ | ミネラル主体 | DNA修復酵素配合 | 光老化が気になる人 |
| La Roche-Posay Anthelios | SPF50+ | 次世代フィルター | 長波長UVA対応 | 超敏感肌・アレルギー体質 |
| Tatcha Silk Canvas | SPF50 | ハイブリッド | プライマー兼用 | メイク下地を省きたい人 |
LA流SPFルーティン・朝の5分
LAのウェルネスコミュニティが実践する朝のSPFルーティンを紹介する。
Step 1: クレンザー(30秒)
前夜の保湿成分と寝汗を落とす。泡立てる必要はない——指先でなでるだけのマイルドなジェルクレンザーが主流。
Step 2: ビタミンC血清(30秒)
抗酸化成分が、SPFと相乗効果を発揮する。SPFが防いでくれない酸化ストレスをビタミンCがカバーする。乾いてから次のステップへ。
Step 3: 軽い保湿(30秒)
SPFを塗る前の下地として機能する薄いモイスチャライザー。乾燥肌の人はここで十分な保湿を。
Step 4: SPF塗布(1分)
2本指で顔全体、首筋、耳の後ろまで丁寧に。忘れがちな「鼻の下」「目の下のたるみ部分」にも。
Step 5: リップSPF(30秒)
口元のUVケアは意外と忘れられる。SPF30以上のリップバームを。EltaMDのリップ用は顔用と同じ哲学で作られている。
白浮きについて
「SPFは白浮きする」という先入観は、2015年以前の製品イメージだ。現代の日焼け止め、特に上記の製品は、ナノ酸化亜鉛技術により白浮きが大幅に軽減されている。肌の色に合わせた選び方として、「シアーな化学フィルター系」と「半透明ミネラル系」のどちらが肌に馴染むかを確認すれば十分だ。
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マリブの朝6時に戻ろう。太平洋から吹く風の中で走る人たちは、SPFを塗ることを美しく生きるための条件として知っている。それは義務ではなく、選択だ。外の光の中で時間を過ごすために、肌の準備をする——その静かな自己投資が、10年後の肌に語りかける。
