ポルトフィーノの入り江は、宝石箱をひっくり返したようだ。
午後の光がヨットのマストを照らし、リドからは楽しげな声が聞こえてくる。
そんな場所で、ありきたりのスイムショーツは少し退屈に思える。
リゾートでの時間は、非日常への扉。
ならば、水着もまた、その世界観を語る一枚であるべきだ。
単なる無地やありふれたボーダーではない。
大胆で、アーティスティックなプリントが施されたスイムショーツ。
それは、纏うアートピースであり、最高のバカンスを共にする相棒となる。
上質なリゾートを知る大人が選ぶべき、物語のある4ブランドを紹介しよう。

Orlebar Brown

Orlebar Brown Bulldog Swim Shorts
まるでスリム・アーロンズの写真の中に入り込んだような錯覚。ショーツをキャンバスに、60年代のリビエラの風景を描き出す。これが英国ブランド、オールバー・ブラウンの世界観だ。
ブランドの哲学は「着たままランチに行けるスイムショーツ」。その仕立ては、まるでテーラードパンツのよう。速乾性に優れた生地を使いながら、サイドにはアジャスターを備え、完璧なフィット感を実現する。ジェームズ・ボンドが劇中で着用したことでも、その品質は証明済みだ。
数あるラインナップの中でも、写真家とのコラボレーションによるフォトプリントシリーズは格別。一枚のショーツが、あなたを物語の主人公にしてくれる。これを履いてプールサイドのバーに向かえば、リゾートの夕暮れに羽織る、上質な大人のジップアップフーディーも、より一層映えるはずだ。
Vilebrequin

Vilebrequin Moorea Swim Trunks
1971年、南仏サントロペ。創業者が妻のためにデザインした一枚の水着から、ヴィルブルカンの歴史は始まった。アイコンであるカメのロゴは、長寿と幸運のシンボル。
このブランドの魅力は、南仏の太陽をそのまま映したかのような、陽気で鮮やかなプリントにある。特にアイコニックなタートル(カメ)柄は、毎シーズン新しいカラーとデザインで登場し、コレクターを魅了してやまない。
父と息子のペアルックを提案した最初のブランドとしても知られ、その背景には家族との時間を大切にするフレンチ・リビエラの精神が流れている。上質なポリアミド生地は肌触りが良く、乾きも速い。背面のアイレットは、水中でショーツが膨らむのを防ぐための巧妙なディテールだ。
CDLP

CDLP Swim Shorts
スウェーデン・ストックホルム発。CDLPは、ミニマリズムとサステナビリティを融合させた、次世代のラグジュアリーブランドだ。その美学は、スイムウェアにも貫かれている。
CDLPが使うのは、Econyl®という再生ナイロン繊維。海から回収された漁網などをリサイクルして作られたこの素材は、環境への配慮だけでなく、驚くほど滑らかで軽い着心地をもたらす。
プリントは、北欧デザインらしい洗練されたグラフィックや、抽象的なアートワークが中心。派手さよりも、知的な印象を与えるデザインが多い。リゾートでの華やかさも欲しいが、都会的なスマートさも失いたくない。そんなわがままな大人にこそ相応しい選択肢だ。そのアーティスティックな佇まいは、まるでベネッセハウスに泊まる、秋の直島アート紀行のような、知的好奇心を満たす旅にも似合う。
Robinson Les Bains

Robinson Les Bains Swim Shorts
フランス・ビアリッツの潮風と、60年代のフィルムスターが持つ気怠いエレガンス。パリ発のロビンソン・レ・バンは、そんなヴィンテージフィーリングを現代に蘇らせる。
ブランド名は『ロビンソン・クルーソー』に由来し、冒険心や自由な精神を表現。そのプリントは、どこか懐かしいジオメトリック柄や、手描きのようなボタニカルモチーフが特徴だ。派手すぎず、しかし確かな個性を主張する絶妙なバランス感覚は、フランスブランドならでは。
仕立ての良さも特筆もので、体に心地よくフィットするカッティングと、上質な素材感が大人の余裕を演出する。流行を追いかけるのではなく、自分のスタイルを持つ男にこそ似合う。太陽の下で少し色褪せた頃、このショーツはさらに魅力を増すだろう。
VALEGIAの視点
スイムショーツは、夏の解放感を最も象徴するアイテムだ。
そして、そこに描かれたアートは、あなたの感性を代弁する。
風景を選ぶか、グラフィックを選ぶか。その選択は、あなたがそのリゾートでどんな物語の主人公になりたいかで決まる。
さあ、今年はどんなアートを纏って、夏に飛び込む?
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