9月のプロヴァンス。ラベンダーの季節は終わりを告げた。
その代わりに、黄金色の光と静寂が大地を包む。
観光客の喧騒が嘘のように引いたリュベロンの丘。
旅をするなら、まさに、この季節だ。

鷲ノ巣村の頂点に立つ
旅の拠点は、ゴルドの「La Bastide de Gordes」。
崖の上に築かれた、鷲ノ巣村の頂点に君臨するパラスホテルだ。
石造りの壁は、数百年の歴史を静かに語りかける。
部屋のテラスから見下ろすリュベロンの谷は、一枚の絵画のよう。
Sisleyのスパで寛ぎ、アラン・デュカスが監修するレストランで舌鼓を打つ。
ここのプールサイドで過ごす時間は、それ自体が旅の目的になり得る。
世界のインフィニティプール10選:水面が空につながる場所にあるような、空と一体になる感覚がここにもある。
相棒は、クラシックカー
プロヴァンスの旅に、最新のSUVは似合わない。
選ぶべきは、少し手間のかかるクラシックカーだ。
シトロエン2CVか、あるいはアルファロメオのスパイダーか。
低いエンジン音と、幌の隙間から入り込む風。
それらすべてが、旅のBGMになる。
カーナビは要らない。地図を片手に、気の向くままに走る。
道に迷うことさえ、この旅では最高のスパイスだ。

Persol 714 Steve McQueen
スティーブ・マックイーンが愛した、折り畳み式のサングラス。
プロヴァンスの強い日差しには、こんな相棒が必要だ。
クラシックカーのダッシュボードに、無造作に置いておくだけで絵になる。

美しい村々を巡る
リュベロン地方には「フランスの最も美しい村」が点在する。
ゴルドを起点に、車で巡るのが正解だ。
まずは赭土(オークル)の顔料で染まる村、ルシヨンへ。
赤い壁と青い空のコントラストが目に焼き付く。
次は、作家ピーター・メイルが愛したメネルブ。
丘の上のカフェで、アニスが香るパスティスを一杯。
ボニューの金曜の朝市を覗くのもいい。
新鮮な野菜、チーズ、オリーブ。旅の日常がそこにある。

Finamore リネンシャツ
洗いざらしで着る、イタリア・ナポリのリネンシャツ。
プロヴァンスの乾いた空気と、太陽の光によく似合う。
シワさえも、旅の記憶として刻まれる。
旅の足元を決める一足
石畳の路地を歩き、クラシックカーのペダルを踏む。
そんな旅には、軽やかでタフな靴が欠かせない。
スニーカーではカジュアルすぎる。革靴では堅苦しい。
答えは、柔らかなスエードのスリッポンにある。
素足に履く心地よさは、夏の終わりの特権だ。
夏の終わり、秋の始まり。素足に心地よい「スエードスリッポン」という選択は、まさにこの旅のためにある。

Tod’s Gommino Driving Shoes
イタリアの伊達男たちが愛する、言わずと知れたドライビングシューズの代名詞。
一枚革が足を包み込む感覚は、唯一無二。
この靴となら、どこまでも走って行けそうだ。
VALEGIAの視点
旅の価値は、訪れた場所の数で決まるのではない。
どれだけ心に残る風景と出会えたか。
どれだけ豊かな時間を過ごせたか。
夏の終わりのプロヴァンスは、その答えを静かに教えてくれる。
次の休暇は、効率や計画から自由になる旅へ。
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