東京の喧騒が、まだ肌に残っている。
高速船を降りた瞬間、空の色が違うことに気づく。
新島の朝は、潮の香りと、どこか甘い花の匂いがした。
ここは、東京の島。しかし、そこには東京という言葉が持つイメージとは全く違う世界が広がっていた。

東京の海に浮かぶ、白亜のギリシャ
竹芝桟橋から高速船でわずか3時間弱。新島は、伊豆諸島に浮かぶ、驚くほどアクセスしやすい非日常だ。この島のユニークさは、随所に見られるギリシャ風の意匠にある。
島の特産であるコーガ石。白く、軽く、加工しやすいこの石材が、建物の壁やモニュメントに使われ、島全体にエーゲ海のような雰囲気をまとわせている。渋谷駅前のモヤイ像も、実はこの島のコーガ石から彫られたもの。島内には大小さまざまなモヤイ像が点在し、まるで異国の遺跡を巡るような感覚に陥る。アテネと姉妹都市提携を結んでいると聞けば、この景色にも納得がいく。それは、遠いギリシャの島への憧れにも似ている。
サントリーニ、白と青だけの世界へ:エーゲ海に浮かぶ断崖の楽園を夢見るなら、まずはここから始めるのもいい。
世界が認める波と、7kmの白いキャンバス
新島を語る上で、羽伏浦(はぶしうら)海岸を外すことはできない。約7kmにわたって続く、真っ白な砂浜とターコイズブルーの海。そのスケールは、ただ圧倒的だ。世界的なサーフィン大会の会場にもなるこの海岸は、質の高い波を求めて世界中からサーファーが集まる聖地でもある。
波に乗る者も、乗らない者も、この海岸では平等だ。ただ砂浜を歩くだけで、思考がクリアになっていく。寄せては返す波の音は、最高のメディテーション。水平線から昇る朝陽を浴びながら、心と体を整えるビーチヨガを試すのもいいだろう。ここにあるのは、自然と自分だけの時間だ。
島旅を軽やかにする、信頼のギア

Patagonia Houdini Jacket
島の天気は変わりやすい。急な風や小雨から身を守る一枚は、旅の快適さを左右する。パタゴニアのフーディニ・ジャケットは、驚くほど軽量でコンパクト。チェストポケットに本体を収納すれば、手のひらサイズになる。バックパックの片隅に忍ばせておきたい、賢者の選択だ。

Outerknown Apex Trunks by Kelly Slater
伝説のサーファー、ケリー・スレーターが監修するボードショーツ。その動きやすさと速乾性は、まさに異次元。サーフィンはもちろん、水着として、あるいは街歩きのショーツとしても機能する。環境に配慮したリサイクル素材を使いながら、最高のパフォーマンスを発揮する。スタイルと哲学を両立した一枚。

The North Face Base Camp Duffel
濡れたウェットスーツ、砂のついたタオル、お土産の瓶詰。島旅の荷物は、タフさが求められる。圧倒的な耐久性と防水性を誇るベースキャンプダッフルは、そんな要求に応える完璧な相棒だ。多少乱暴に扱ってもびくともしない安心感。背負うこともでき、移動の多い旅でその真価を発揮する。
湯けむりの向こうに、水平線を望む

島の西側にある「湯の浜露天温泉」。ここもまた、コーガ石で作られた古代ギリシャの神殿のような無料の露天風呂だ。水着着用で入る混浴スタイルで、24時間いつでも利用できる。
海で冷えた体を温め、旅の疲れを癒す。湯けむりの向こうには、どこまでも広がる水平線。夕暮れ時には、空と海が燃えるようなオレンジ色に染まる。遮るもののない景色を眺めながら湯に浸かる時間は、何よりの贅沢だ。昼間のアクティブな時間とは対照的な、静かで思索的なひとときがここにはある。
VALEGIAの視点
旅は、必ずしも遠くへ行く必要はない。東京からわずか3時間。日常から切り離された白と青の世界が、そこにはあった。
優れた道具は、旅の体験を深化させる。それは単なるモノではなく、非日常への扉を開ける鍵となる。
この週末、あなたはどの船に乗るだろうか。新しい景色が、あなたを待っている。
